日本ケトルベルトレーニング協会がある?
やかんのような持ち手ハンドルが付いた鉄球で見た目がかわいい器具。持ち方でさまざまなトレーニングが可能なので、アスリートやボディビルダーも扱う。
代表的なスイングは、腕の力ではなく体幹を使う。ケトルベルをふるさいの遠心力に耐えるので体幹が鍛えられ、全身に負荷がかかり、脂肪燃焼効果が高い。筋力トレーニングと有酸素運動が同時にできる。
ケトルベル特有の独特なフォームのトレーニング法、動きのバリエーションが多く、筋トレと有酸素が同時に行えて、ダンベルよりも重心が手から離れていることによる独特な刺激が筋肉に与えられる。
ダンベルは2つのおもりの中心を握るので、住信とグリップが一直線上になる。動作が直線的でコントロールしやすく、腕や肩など部分的に負荷をかけるのに適している。
ケトルベルは重心とグリップが離れているので、振り子のような曲線軌道の動きが可能になり、動作にスピードと遠心力が加わり、コントロールが不安定な分、腕以外の筋肉も活性化される。
どちらが優れているとかはなく、目的が違う。ダンベルが部分最適化だとしたら、ケトルベルは鍛えた各部を統合させて機能性を高める全体最適化トレーニング。
前提として基礎的な筋力やパワー、筋持久力、全身持久力などがあって、この土台を積んだ人向けのトレーニングといえる。表面的にケトルベルの動きだけをなぞっても効果は表れにくい。
また、ダンベルやバーベルは基本的にストリクト、フルレンジが基本で、反動とか、伸張反射とか、勢いとか、スピードを殺してフリーウェイトをやっている。そのため反発的にクイック系の種目が楽しくなってやってみたくなる。効率や効果よりも面白いからやる。
ジムのインテリア的な可愛さがある。置物としてのフォルムがいい。
単におもりとして認識している人には魅力的な器具には映らないだろう。
・正しいフォームでトレーニングできる重さを扱う
・猫背になったり腰が反らないように注意
・体の軸を意識して腹筋に力を入れる
ケトルベルのデメリット
ダンベルと比較して扱うのが難しい器具。正しいフォームで行わないと目的の筋肉を鍛えられず怪我につながる可能性も。PTを受けるなど正しい使い方を覚えることもおすすめ。スイングする大きな動きなどスペースを十分に確保できる場所も必要。
ダンベルのように重量ラインナップが多くないので調整しにくい。
イメージとして筋肥大よりパフォーマンス向上に適した感じ、ケトルベル競技スタイルに体格が細い人が多く、日本での認知度もまだ低い。
ケトルベルスイング
肩幅に開いた両足の身体の真下にケトルベルを置き(くるぶしの間)、両手で持ち上げる。体から離れた場所に置くと状態が丸まって腰を痛めるので注意。
膝を曲げ、おしりを突き出すようにしてケトルベルを待たした後方にふり、立ち上がる時の股関節の反動を使って、胸の高さまで振り上げる。腕を振り子のようにして、この動作を繰り返す。背中を伸ばしたまま、勢いよく立ち上がる。
さらに負荷を高めるなら、ケトルベルを肩の高さや目の高さまで上げていく。
股関節まわりの筋肉が使われ、筋肥大、筋力向上が期待できる。大きな筋肉が多いので消費エネルギーも大きい。
下肢の瞬発的な力を上肢に伝え、ケトルを持ち上げる運動の連鎖が必要なトレーニング。肩に力が入ると下肢からの力の連鎖が崩れるので効果が減少する。伸張反射を利用したプライオメトリックトレーニングであるため、反射が起こる局面、つまりケトルがお尻に近づく局面が非常に重要。
スナッチ
スイングを発展させて、片手で頭上まで振り上げるトレーニング。片腕ずつの動作なので、バランス感覚を養いながら、背筋や肩回りの柔軟性を向上させる。
クリーン
スナッチのように振り上げるが、胸の前で手首を返して腕でキャッチする。難易度は高いが体の機能性を鍛える効果が抜群。背筋郡だけでなく、肩や腕にも効果がある。
ミリタリープレス
ケトルベルを頭上に持ち上げる肩のトレーニング。直立して頭上に上げる非常に不安定な動作なので体を安定させるために体幹部も強く鍛えられる。
腕をまっすぐに伸ばしてケトルベルを上げ、肩の横までゆっくりおろすのを繰り返す。体が左右に傾かないよう体幹を安定させ、反動をつけずにゆっくり上下させる。
ゴブレットスクワット
ケトルベルを一番効果的に使えるメニュー。バーベルを使ったバックスクワットと異なり、負荷をかけるおもりが胸の前にある。スクワットのようにお尻を後ろに引く動きをする際も重心位置が取りやすく、比較的フォームを習得しやすいことが特徴。
スクワット同様に大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋など下半身の大きな筋肉を鍛えられる。
胸の前でケトルベルを抱え、水平になるようにしゃがみ、立ち上がる。ケトルベルを胸の高さまで振り上げる。これを繰り返す。
しゃがむ際にひあが内側に入らないように注意。腿が水平になるまでおろして立ち上がる。
(ゴブレットに慣れて負荷を高めたいなら、デッドリフトのように腕を伸ばした状態でケトルベルを保持するスクワットもできる。上半身の筋肉動員は減るが、そのぶん高重量を扱うことができ、下半身にききやすくなる)
スラスター
スクワット動作と垂直方向へのプレスを同時に行うトレーニング。太もも、膝や股関節を伸ばす筋肉、ケトルベルを持ち上げる体幹の筋肉を鍛える。腕を伸ばすので肩や腕の後ろなど上半身の伸展系と、ほぼ全身の筋肉を使う。背中以外。エネルギー消費も大きい。
胸の前でケトルベルを抱え、水平になるようにしゃがみ、腕を伸ばし切りながら立ち上がる。この動作を繰り返す。
ヘイロー
ケトルベルを鉄球が上に来るように両手で持ち、頭のまわりを回す。肩や肩甲骨周辺の筋肉が鍛えられ、可動域の拡大ものぞめる。
常に肩の筋肉で支えるので、常にテンションがかかり、肩回りにとても効果がある。動きにプレスを加えるのもおすすめ。腕を上に伸ばす動きで肩から腕の後ろの筋肉に効果的。
胸の前でケトルベルを持ち、頭の前から後ろへと顔のまわりをぐるっと回す。反対まわりも行う。この動作を10~20回3セットを目安に。
最適な重さ 初心者、一般、筋力自信ある順
男性 8 12 16
女性 6 8 12
可変式ダンベルのようにとりあえず重いのを選ぶができないし、そろえてもかさばる器具。現状レベルに合わせた重量レベルが重要。
可変式ダンベルのように、重量可変式のケトルベルも存在する。複数そろえなくてすむし場所をとらないのはありがたい。レベルに合わせて長期間使えるのもポイントだ。しかし、利便性を追求したために、ケトルベルの絶妙な重心バランスなどトレーニングの質にこだわりたい人には不向き。
ハンドルの太さと長さで負荷の感じ方が変わる。握りやすいものがおすすめ。ハンドルの広さや太さで片手で行いやすいか、両手で行うかの違いもあらわれる。
素材はキャストアイアンとスチールの2種類が主なもの。キャストアイアンは鋳鉄のことで比較的リーズナブル。ウェイトが大きくなるほどケトルベルのサイズも大きくなる。ほとんどのケトルベルはキャストアイアンである。
スチールはケトルベルのリフティング競技で採用されているのが特徴で、形は大きさは重量に関わらず同じなので、負荷を変えつつ同じような使用感でトレーニングをできるのがメリット。しかしかなり値が張る。
コーティングの有無。表面保護や、床面に傷をつけないための目的で、PVCやポリプロピレンなどで加工されたタイプが多い。
競技用ケトルベルの場合、ハンドル部分に塗装や表面加工が施されていないものもある。
あやまって落とした時の騒音や床の破損を考慮して、マットがあると、衝撃や騒音を緩和してくれる。あればいいだろう。