ダンベルのような重さがあるボール。もともとは怪我や病気で筋力が落ちた人のリハビリなどに活用されていたので「メディシン Medicine 医学的」という名前がついている。ボールなので他の器具ではできないさまざまな動きができる。初心者から上級者までバリエーション豊かな器具。
体幹とインナーマッスルを鍛えると同時に、有酸素運動にもなるので、脂肪燃焼効率が高いプログラムになる。
ウェイトトレーニングでは投げることはまずない。実践的な競技では投げる種目は多いので、アスリートにも活用される。全身の筋力向上や体幹強化に使われる。
ダンベルやケトルベルと似た使い方もできるが、ボールならではの「投げる」ことが可能。連動性を持った全身の動きなので、運動連鎖(キネティックチェーン)により実践に近い効果が得られる。
初心者には新しい刺激になってトレーニング効果もアップする。
投げる動作には瞬発的な力が求められるので、瞬発力や爆発的なパワーを発揮するのを養うのに適している。
手軽感がある。幅広いトレーニングに応用できる。
・体の軸を意識
・正しいフォームでトレーニング可能な重量を扱う
・周りに注意して行う
投げるエクササイズは、基本思い切り投げるので、広い場所と周囲の安全が求められる。
初心者は3㎏程度からがおすすめ。重すぎるとフォームが乱れ、関節に負担がかかる。トレーニング経験者は5㎏以上からがおすすめ。
【フロントスロー】
足を腰幅に広げて立ち、両手で持ったボールを、しゃがんでから立ち上がる勢いで真上に高く投げる。
【バックスロー】
フロントスロー同様の流れから、後ろに高く投げる。腰が反りやすいので、腹筋に力を入れたまま全身の力で投げる意識。
【サイドスロー】
身体をひねりながらボールを壁に向かって投げる。腕ではなく体をひねる勢いで投げるイメージ。
【たたきつけ】
ボールを頭上から体の反動を使って、地面にたたきつけるように真下に投げる動作を繰り返す。できるだけ高い位置から思いきり真下にたたきつける。腕だけでなく全身を使う。
【メディシンボール ロシアンツイスト】
長座体育すわりで胸の前に持ち、腹筋に力を入れて足を軽く浮かせながら、ボールを左右に振って上半身をツイストさせる。腹筋を意識して、へそは正面に向けたまま上半身だけを動かすようにする。顔と手は同じ方向に向けて、息を止めないこと。左右のボールを床につける際は身体よりも後ろ位置で。ゆっくりした動作から正確なフォームで、慣れたらリズムよく。
主に腹斜筋を刺激してくれる簡単な腹筋トレーニング。
10回×2~3セットが目安。
【V字シットアップ】
仰向けで寝て膝を伸ばし、足首を90度に曲げる。メディシンボールを持ち、両手を頭上に伸ばす。体をV字にするように両手と両足を同時に持ち上げる。メディシンボールを足につけるような意識でゆっくりと元の姿勢に戻る。腹筋を鍛えるハードなエクササイズ。足を上げた際にボールに触れるか、触れる意識で効果が高まる、反動は使わないように。
【スクワットスイング】
両手でボールをもち、足を腰幅より広くして立ち、スクワットのように体をおろしながら、ボールを後ろへスイングさせる。ボールを顔の前まで持ち上げながら、元の姿勢に戻る。ボールを振る反動をうまく使いながら、スクワット動作をリズムよく行う。背中を丸めず、尻を落とすようにして。
【メディシンボール ヘイロー】
顔の前でボールを持って立ち、顔のまわりを一周させるように頭の後ろに持っていき、元の位置に戻ってきたら今度は逆回転で、左右交互に行う。肩や体幹を刺激するエクササイズで、回すときはスムーズに動かして体幹部がぶれないように腹筋に力を入れる。
【ボールプッシュ】
両手でボールを持ち、肘を曲げて胸の前でキープ。肘を伸ばし、腕が床と平行になるようにボールを体から話す。腕や肩を刺激するエクササイズで、動作は単純だが続けて行うとかなりハード。肘を伸ばすときにボールをつぶすように力を入れると、大胸筋にさらに刺激が入る。疲れると腰が反ったり、腕の角度が変わらないように注意。
【ツイストランジ】
足をそろえて立ち、肘を伸ばし、両手でボールをもって顔の前でキープ。ボールの位置をずらさないように片足を大きく前に出し、股関節と膝を90度に曲げながら、胴体をひねる。上半身は位置をずらさずに、床をけって直立姿勢に戻る。上半身から体幹、下半身まで同時に鍛えられるエクササイズ。ランジ動作、体幹部のひねり、ボールの重さと、フォームが崩れやすいので難易度が高い。ランジ動作とひねりが別々にならないよう一連の流れとして行うように意識。
【メディシンボール チェストパス ペア】
海外で流行しているペアトレーニング。相手がいることで緊張感や集中力が生まれる。
お互いの足が重なるくらいの距離で向かい合って座って膝を立て、ボールを持った両手を胸の前に引き付けてから、相手の胸に向かって投げる。相手から投げられたボールを両手で受ける。
腹筋を意識し背筋を伸ばして行う。投げる際に体が後ろにのけぞらないように注意。
10回×2~3セットが目安。
・ハードタイプ
天然ゴム素材でおおわれているものが多い。凹凸がついてるものが多く、汗をかいても滑りにくい。体幹トレーニングやスクワットなど基礎トレーニングに向く。
・ソフトタイプ
軽めのトレーニングや、リハビリで使うのに適している。表現が柔らかいので、投げやたたきつけ動作に適している。クッション性が高く、体に当たっても大丈夫。投げ合うトレーニングやリハビリ用途に。
・サイズはトレーニングによって異なるが、片手で持てるサイズかどうかは判断材料になる。ハードは小さく、ソフトは大きめの傾向。片手で行うなら直径20㎝以下がいい。両手でつかんで体全体を使うなら直径25㎝以上が適してる。
・滑り止めがついていると、グリップ感やホールド感に優れて安心してトレーニングできる。表面に凹凸のあるラバー製がおすすめ。
・取っ手やひもがついたタイプは、ケトルベルのような使い方もできて幅が広がる。振り回して体幹まわりの筋力アップ。