筋力向上、筋肥大効果を最大化させるための有酸素運動の取り入れ方

夏に向けてダイエットであったり、コンテスト出場に向けて減量する方が多いと思います。

減量にとって効果的なのが有酸素運動です。特にコンテストに出場する場合には、有酸素運動なしではコンテストコンディションにすることは難しく、必須とも言えます。

しかし、筋肥大効果や筋力向上を狙ってトレーニングしている人がむやみに有酸素運動をすると悪影響が大きくなってしまいます。

今回はそんなトレーニーのために、具体的な有酸素運動の取り入れ方について解説します。

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目次

  1. 現実的な解決方法
  2. コンカレントトレーニング
  3. 悪い影響とは
  4. 有酸素運動を行う上で考えるべき4つのポイント
  5. 強度(どのくらい心拍数を上げるのか?)
  6. 量と頻度
  7. 様式(ランニングか自転車か?)
  8. いつ行うか?
  9. トレーニング前か後か?
  10. トレーニングとは時間を離して行おうすべて表示
    1. 現実的な解決方法
    1. コンカレントトレーニング
    1. 悪い影響とは
    1. 有酸素運動を行う上で考えるべき4つのポイント
    1. 強度(どのくらい心拍数を上げるのか?)
    1. 量と頻度
    1. 様式(ランニングか自転車か?)
    1. いつ行うか?
    1. トレーニング前か後か?
    1. トレーニングとは時間を離して行おう

現実的な解決方法

・高強度で行わない(心拍数を上げすぎない)・やりすぎると筋肥大効果が減ってしまうので注意・なるべく時間を空ける(朝有酸素運動をして、夜レジスタンストレーニング)・筋トレと有酸素運動を別の日に行う

コンカレントトレーニング

体脂肪減少やスポーツパフォーマンス向上を目的として、有酸素運動とレジスタンストレーニングを組み合わせてトレーニングすることをコンカレントトレーニングと呼びます。

「レジスタンストレーニングの筋肥大効果に有酸素運動が悪影響を及ぼすことはない」という主張もありますが、むやみにやってしまうと筋肥大、筋力向上効果への悪影響は避けられないでしょう。

悪い影響とは

・レジスタンストレーニングで起こした同化シグナルを妨げる・有酸素運動による疲労や基質の枯渇がレジスタンストレーニングの質を低下させる・オーバートレーニング状態に陥る(異化作用ホルモン環境やグリコーゲンの枯渇など)

有酸素運動を行うと、この3つが筋肥大に悪影響を及ぼすと考えられています。

したがって、有酸素運動を行う上で

・強度(どのくらい心拍数をあげるのか?)

・量と頻度

・様式(ランニングか自転車か?)

・いつ行うか?

この4つをうまく調整し、悪影響を最小限にする必要があります。

有酸素運動を行う上で考えるべき4つのポイント

強度(どのくらい心拍数を上げるのか?)

中強度の自転車運動高強度のスプリントインターバルトレーニングを比べると高強度の方が細胞内の同化シグナルに対して悪影響があることが示唆されています。12)

また心拍数が高過ぎると、体脂肪も利用されにくくなってしまうので特に減量中で体脂肪を減らす目的で有酸素運動をする際は心拍数を上げすぎないように有酸素をするのがおすすめです。

減量中なら心拍数120程度を目安に行いましょう。

量と頻度

頻度に関してはそこまで相関関係はないようですが、量については筋肥大と有酸素運動量の間に有意な負の相関があることが示されています*4)

当たり前ですが、筋肥大を目的とした場合、有酸素運動のやりすぎは筋肥大を阻害してしまう可能性があるようです。

具体的に何時間以内!ということは言えませんが、毎日、1日数時間やってしまうと影響が大きいと言えそうです。

様式(ランニングか自転車か?)

Wilsonらのメタアナリシスで、レジスタンストレーニングによる筋肥大効果に対する負の効果はランニングよりも自転車運動の方が悪影響を及ぼさないことが示さています。

これは**ランニングの着地によるダメージのせいではないか?**と考えられています。

ただし、自転車よりもランニング(トレッドミル)の方が負の影響が小さかったとする報告もあり、実際にどちらがいいのか断定的なことは言えませんが、トレーニーは体重が重くなりがちで関節への負担が大きくなりがちな面があるため、膝関節への負担なども考慮した場合にはやはり自転車の方が適切でしょう。

ウォーキングも、ランニングと違い着地の衝撃も大きくないので関節への負担も大きくなく、心拍数も高くなりすぎずおすすめです(室内でエアロバイク漕ぐよりも外を歩いた方が楽しいですし)。

いつ行うか?

トレーニング前か後か?

トレーニング前に有酸素運動を十分に行うとレジスタンストレーニングの質の悪影響が考えられます。

トレーニング直前に長時間行うと単純に疲れてしまいます。

しかし、Davittらによると、レジスタンストレーニング前後どちらで有酸素運動を行なっても影響は大きくないと報告しており、実は影響は大きくないのかもしれません。*5)

ただ、高重量スクワットの前にサイクルマシンを1時間行って「全く影響がない」とは考えにくいのでなるべくトレーニング前に行わずに後に行ったほうが影響は少ないでしょう。

トレーニングとは時間を離して行おう

Wilsonらは有酸素運動とレジスタンストレーニングを別々の日に実施した場合、別日に実施した場合により肥大効果が高かったと報告しています。*4)

体感的な疲労度も考慮すれば、なるべく別々の日か、もしくは朝に有酸素、夜にトレーニングなどのタイミングで行った方が良いでしょう。

特に下半身トレーニングとは離そう

有酸素運動のほとんどは下半身を主に使うので、特に脚のトレーニングの後に有酸素運動をするのは筋肥大の阻害を大きくしてしまう可能性が高くなります。

Day1 上半身部位+有酸素運動

Day2  脚の日

Day3 上半身部位

Day4 有酸素運動

Day5 脚の日

Day6 上半身

Day7 有酸素運動

という風に行うのが個人的にはおすすめです。

下半身の日とその次の日はなるべく有酸素をせず、トレーニング後の筋タンパク合成を阻害しないようにしましょう。

まとめ

・高強度で行わない(心拍数を上げすぎない)・やりすぎると筋肥大効果が減ってしまうので注意・なるべく時間を空ける(朝有酸素運動をして、夜レジスタンストレーニング)・筋トレと有酸素運動を別の日に行う

このような点に注意して行えば、有酸素運動の悪影響を最大限少なくできる可能性が高くなります。

ぜひ試してみてください。